東京都産業労働局 令和4年度中小企業サイバー
セキュリティ対策継続支援事業

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中小企業向けサイバーセキュリティ対策の極意

社内連携の事例紹介②
~デジタル活用による情報共有を進めた社内連携~

クラウドシステムを活用した社内連携

クラウドシステムを活用した社内連携

社内の連携にデジタルを活用するというのも一般的になっています。朝礼で全社員に伝えるというやり方から、メールやチャットツールで情報を発信しているという企業も多いのではないでしょうか?もちろん、朝礼で全社員に伝えることも立派な社内連携です。しかし、コロナ渦中での時差出勤や在宅勤務などの影響もあり、全社員が朝礼に集まりづらくなったという時代背景もあり、コミュニケーションの取り方を考える必要性がある時代となっています。

ある会社ではクラウドシステムを導入し、そこで社内連携を進めるようにしました。契約したクラウドサービスには掲示板機能があったので、掲示板に必要なセキュリティ情報を記載し全従業員に確認してもらうという方法です。有効なセキュリティ対策を実施しても従業員に届かなくては意味がありません。掲示板で表示すれば従業員が出社したタイミングで閲覧することができるため、聞き逃したという事態を避けることができます。

安全衛生管理組織を活用した社内連携

しかし、クラウド導入にあたり、心配な事案がありました。それは、元々デジタルに慣れた社員ばかりではなかったので、クラウド化自体にも抵抗があったことです。 SaaS型のクラウドサービスは色々な機能が盛り込まれているため便利な反面、覚えることが多くなるので使われないという危険性があります。そこで、まずは掲示板の機能を徹底的に使い、それに慣れてきたら次を使うというように浸透を進めていきました。クラウドサービスへの接続や掲示板の表示はパソコンを起動すると自動で掲示板が立ち上がるように設定し、情報の見落としを減らし、すぐに目に入るように工夫をしました。苦手な従業員も勝手に情報が表示されてくるため、特に大きな不満もなく掲示板の利用は浸透しました。不思議なもので、一度使って便利さを感じると他の機能に対しての抵抗が薄くなり、今ではファイル共有やチャットコミュニケーションも多くの従業員が使いこなしています。

社内連携の仕方は各社それぞれであり、有効な手段を検討していく必要があります。最近では、デジタルを活用した共有・連携が多いのではないでしょうか?デジタルに慣れている従業員には不都合はないかもしれませんが、全従業員へ情報を届けるためには情報を発信する側の工夫も必要です。自社にとっての最適な連携は何かを突き詰めていきましょう。