東京都産業労働局 令和4年度中小企業サイバー
セキュリティ対策継続支援事業

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中小企業向けサイバーセキュリティ対策の極意

変化に対応する技術的対策の事例

在宅ワークの環境を整える。

働き方改革という言葉をよく聞くようになりました。業務時間の短縮や生産性の向上など多くの視点で語られていると感じます。特に、コロナの影響により、急ピッチでテレワークのシステムを整えたという会社も多いのではないでしょうか?
ある会社では、コロナの流行がきっかけとなり、本格的な在宅業務へと舵を切りました。最初は在宅ワークをするだけで精一杯でしたが、数年来の改善で業務効率も出社している時と遜色無くなっています。

在宅ワークの環境変化(概要図)

在宅ワーク初期

在宅ワーク初期

社内のパソコンにリモートデスクトップをする事で作業をしていました。業務はできていましたが、社内接続するための端末が直接インターネット接続できたため、情報漏えいのリスクがありました。

在宅ワーク中期

在宅ワーク中期

社内へのアクセスにVPNを利用し、通信の安全性を高めました。またクラウドサービスへは社内からアクセスすることでファイル共有やコミュニケーションを管理しやすくしました。ただし、クラウドへのアクセスが技術的には個人端末からできてしまうことや、シャドーITの可能性を無くすことはできませんでした。

現在の在宅ワーク

現在の在宅ワーク

リモートデスクトップ方式を廃止して、PCがインターネットに繋がったら自動でVPN接続を要求し、インターネットへの接続を制限しました。クラウドへもアクセス制限をかけ、個人端末の利用禁止も技術的に行えるようになりました。

今後の環境

今後の環境

今後は、増大したクラウドサービスの一元管理を目指した、SASEなどのサービス導入を検討しています。利便性とセキュリティの両方を高めていく予定です。

在宅ワークの環境を最初から理想の形とすることはなかなか難しいものです。しかし、生産性を高め、働き方に選択肢を持たせるためには必要なことです。日々変わるデジタル環境において、それらを実現するためにセキュリティを考えることが大切であり、決して否定するためのセキュリティにならないように意識することが重要です。