雇用における
セキュリティの注意事項
従業員による故意の情報漏えいを防ぐために、秘密保持義務を記載する場合があります。セキュリティ規程ではなく、就業規則に記載される場合もありますが、雇用時にセキュリティの役割や責務を認識させ、ルールを守らせることが重要です。
Point① 秘密情報管理に関する就業規則の例
従業員が遵守する規程に禁止事項等を明確に定め、雇用時に認識してもらうことが重要です。
第○条(服務規律)
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従業員は、職場の秩序を保持し、業務の正常な運営を守るため、職務を遂行するにあたり、次の各号に定める事項を守らなければならない。
- 会社の施設、設備、製品、材料、電子化情報等を大切に取り扱い保管するとともに、会社の許可なく私用に使用しないこと。
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従業員は、入退場に関し、次の各号に定める事項を守らなければならない。
- 警備員から所持品の検査を求められたときは、応じること。
- 会社の許可なく、書類や社品を会社外に持ち出さないこと。
- 従業員は、従業員証を常時携帯し、入場のとき又は求められたときは、直ちに提示しなければならない。
第○条(遵守事項)
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従業員は、次の各号に定める事項を守らなければならない。
- 会社の内外を問わず、在職中、又は退職若しくは解雇によりその資格を失った後も、会社の秘密情報を、不正に開示したり、不正に使用したりしないこと。
- 従業員は、在職中及び退職後【六ヶ月間/一年間/二年間】、会社と競合する他社に就職し、また競合する事業を営まないこと。
- 退職時に、会社から貸与されたパソコンや携帯電話等、会社から交付を受けた資料(紙、電子データ及びそれらが保存されている一切の媒体を含む)を全て会社に返却すること。
Point② 秘密保持契約書を締結する
採用時やプロジェクトへの参画時に特定の情報の閲覧や保有を行うために、秘密保持契約書(機密保持契約書と表現する場合もあり)を取り交わします。
秘密保持契約書の例
タイミング | 目的 |
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入社時 | 入社にあたり会社の機密情報にアクセス・閲覧するために取り交わしを行う。 |
プロジェクト参画時 | プロジェクト特有の情報や顧客情報にアクセス・閲覧するために取り交わしを行う。 |
退職時 | 会社退職時に会社の情報の返却や破棄を明言し、会社で知り得た情報を口外しないことを目的に取り交わしを行う。 |
経済産業省が公開している『各種契約書等の参考例』では、各種契約書の参考文面が紹介されています。
出典:経済産業省
「各種契約書等の参考例」をもとに作成
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/reference2.pdf